大人の隠れ家の求人ブログ

担当:池田
『半年経って届いた、たった一行のLINE』
「お店…まだありますか?」
そのLINEが届いたのは、深夜1時を少し過ぎた頃。
懐かしい名前だった。
あの子が卒業してもう1年は経っていた。
すぐに「あるよ」とだけ返したけれどそこに返事はありませんでした。
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彼女がいたのは、ほんの2ヶ月間。
“人見知りだけど、気配りだけは負けない”──
そんな子だった。
人との距離を測るのが上手で、
でも、どこかずっと一人で戦ってるような雰囲気があった。
「目標金額を達成したら辞めます」
そう言って、本当に2ヶ月きっかりで店を離れていった。
去る時も、あっさりだった。
最後の挨拶も、事務的で。
「冷たい子だな」と思ったわけじゃない。
ただ、あの子なりに自分を守っていたのだと思う。
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そのLINEから数日後、
返信がきて近くまで来たというので
外で少しだけ会った。
「また目標が出来ちゃいました。」
静かに、そう呟いた。
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“ただ稼げる場所”を探していたら、
きっと他にもいくらでもあったと思う。
でも、彼女がここを思い出してくれたのは──
たぶん、“働く自分が嫌いにならなかった場所”だったのか。
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このブログを読んでくれているあなたへ。
もし今、どこにも居場所がないと感じているなら、
焦って答えを出さなくてもいい。
1年経っても、帰ってきたいと思える場所があること。
それが、人生にとってどれだけ大きいか。
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▶次回予告
『「ただ稼ぐ」じゃなかった。“あの子”が選んだ生き方。』
「週1で、短期間だけ働きたいんです」
年齢は20代。
昼間はコールセンターで働きながら、家では年老いた母親の介護をしているそんな生活をしていた。
週1で様子を見ながら少しずつ。
会話も少なくどこか距離を置いているような子だったけれど、
どのお客様にも丁寧に気持ちを込めて接していたのが印象に残っている。
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ある日精算途中に彼女が言った。
「母に新しいベッドを買ってあげたいんです」
豪華な買い物でもブランドでもない。
ひとつの親孝行。
それが“その子の目標”なら、僕達は応援したいと思った。
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それから1年。
彼女は黙々とシフトをこなした。
決して無理はせずでも一日一日を真剣に積み重ねた。
背中で努力が伝わってくる子だった。
そしてある日。
「今月で卒業したいです」とLINEが届いた。
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僕達はいつも通り
卒業祝いを渡した。
彼女は受け取って、一言だけ
「ありがとうございました」と言ったあと笑ってくれました。
この仕事は誰にでもできる仕事じゃない。
けれど、「何のために働くのか」が明確な子ほど、静かに強くなっていく。
彼女が選んだのは派手な成功ではない。
静かな決意と小さな夢を叶えるための働き方だった。
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このブログを読んでくれている方へ。
今あなたが、
「稼がなきゃいけない」
「でも、どこにも頼れない」
そんな気持ちの中にいるのなら──
無理に笑わなくてもいい。
言葉にしなくてもいい。
この“隠れ家”は、あなたの物語を大切に受け止めます。
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▶次回予告
『半年経って届いた、たった一行のLINE』
『隠れ家には、過去を背負った女の子たちが集まります』
― 代表の過去と想い ―
はじめまして。
このメンズエステの代表をしている者です。
僕自身、若い頃はまともでは無かったです。
昼より夜に生きていたしまともに人と向き合えなかった時期もありました。
お金に執着しすぎて大事な人や信頼もいくつか失いました。
でもそんな中でもふと、
「誰かに居場所を作れるような人間になりたい」
そんな気持ちが心の奥に残っていて。
それがこの店の“はじまり”です。
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当店は、いわゆる「華やかなメンエス」ではないかもしれません。
でも、地に足がついた店である自信はあります。
来てくれる女の子の中には、
・若いけど落ち着いてる子
・ひとりで子どもを育てながら必死なシングルマザー
・人に言えない過去を抱えた子
・何も分からないまま飛び込んできた素人の子
…そんな子たちが多く在籍しています。
そして僕は、彼女たちを「商品」じゃなく「一人の人間」として向き合ってきました。
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僕が面接で大切にしてるのは、見た目だけじゃありません。
話し方や礼儀、その子の目の奥にある“覚悟”や“優しさ”のようなものを見ています。
「ちょっと変わりたい」
「もう騙されたくない」
「今度こそ、自分の力で稼ぎたい」
そう思ってる子に、うちは合う店だと思います。
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目標金額があるなら、一緒にプランを立てます。
卒業するときには、卒業祝いを渡します。
だってこの店は、「過去の自分に与えたかった場所」を形にしたものです。
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当店は、静かで、優しくて、そしてちょっと強い。
そういう“隠れ家”です。
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▶次回予告
・『救えなかったあの子へ。』
次回以降は、もっと中身を深掘りしていきます。
『大人の隠れ家』のアピールポイントっ!
☆女の子第一優先を日々心がけています♪勤務の際不安なことがあれば一緒に解決します!
☆女性スタッフ有!少しでも不安をとり除ければと思います◎
☆当店では身バレ防止のアリバイ会社有!安心して働くことが出来ます◎
☆好きな時間に好きな日にちに働く事が出来ます◎副業として活用するも良し!学業の間にサクッと稼ぐのも良し!
当店を一緒に盛り上げてくれるセラピスト大募集してます!
お電話やTwitterDMにてお待ちしてます♪
LINE:https://lin.ee/Ic42KrX
10代の頃地元の友達とコンビニに集まるのが日課だった。
特にやることもなくただ立ち話。
誰かがくだらない話を始めて、全員で大笑いして、気づけば夜が明けそうになっていた。
大人になった今思えば、あの時間は「無駄」だったのかもしれない。
お金が増えるわけでも、経験値が積み上がるわけでもない。
でも、あの頃の笑い声や空気感が
自分の根っこの部分を作った気がする。
真面目な顔して授業を受けてた時間よりも、
将来の夢を語るよりも、
「くだらないことで笑った時間」の方が記憶に残ってる。
大人になると効率や成果を求めがちだけど、
人間って結局、そういう無駄の中に支えられて生きてるんだろう。
10代の自分に会えたら、こう言うかもしれない。
「その時間は無駄じゃない」
十代の頃からどこにいても「ここじゃない」という感覚があった。
学校にいても落ち着かず、地元の友達といても、なぜか違う気分になっていた。
笑ってはいるけど、心の奥ではずっと「自分の居場所はここじゃない」と繰り返していた。
18歳で風俗の仕事を始めたのは、生活のためでもあり、同時に“興味本位”からだ。
自分がこの世界でどれほど通用するのか好奇心が強かった。
20歳になったとき、大阪へ飛び出した。
住む場所も決めず、働く店も決めず、財布の中には片道の金と少しのお金だけ。
「何とかなる」なんて無根拠な自信を抱えながら。
けれど実際に街に立ってみると、明るいネオンの下で、自分の影ばかりが長く伸びている気がした。
あの頃は、毎日が不安で仕方なかった。
同時に、不安の中でしか味わえない熱もあった。
居場所が見つからないからこそ、必死に動いて、
居場所がないと分かっているからこそ夜を歩き回った。
今思えば、居場所なんて最初から与えられるものじゃない。
正解の答えが用意されているわけでもない。
誰かに保証されるのでもなく、結局は「ここで生きてみるか」と自分で決めるしかない。
そしてその決意の積み重ねが、振り返ったときに“居場所だった”と名前がつくのだろう。
あの頃の僕に教えてやれるならこう言うだろう。
居場所は探すものじゃない。
生き抜いた時間が、あとから勝手に居場所になるんだと。
コンビニで買い物をしていたら、前に並んでいた男性が小銭を床に落とした。
彼は慌てずに静かに拾って店員に「すみません」と言った。
たったそれだけの出来事なのに妙に頭から離れなかった。
誰だってああいう小さな失敗をする。
だがその後の態度で人の印象は大きく変わる。
恥じるでもなくただ「すみません」と微笑んだその姿に、
生き方の余裕みたいなものを感じた。
俺はどうだろう。
経営の場で小さな失敗をしたとき、つい言い訳を探してしまう。
数字のズレ、スタッフとの行き違い、女の子の相談に答えられなかった瞬間。
「仕方ない」とごまかすことはできても、
あの男のように笑って「すみません」と言えただろうか。
きっと、人間の器は大きな場面ではなく、
ああいう何気ない場面で測られていく。
人生ってのは案外そういう小さな場面で心を試されてるのかもしれない。
『調子いいときほど、心の中は静かじゃなかったりする。』
今日は、まあまあいい日だった。
トラブルもなく、予約も埋まってて、女の子たちもそれぞれ頑張ってた。
お店がちゃんと“回ってる”日だった。
でも、なぜか、気持ちは落ち着かなかった。
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昔は、「調子がいい=心も晴れるもんだ」と思ってた。
でも、今はちょっと違う。
むしろ、うまくいってるときほど、
「このバランス、いつ崩れるかな」って、
どこかで構えてしまう自分がいる。
ありがたいことが続くと、
それを失う想像ばかりしてしまう。
そういうクセが治らない。
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でも最近はそれを「ダメなこと」とは思わなくなった。
不安があるから準備ができる。
疑い深いから誰かに丁寧になれる。
弱さを知ってるから優しくできる。
完全な人間じゃないからこそ、
こうして店をやれてるのかもしれないと思う。
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だから今日はこれでよし。
調子がいい日に心がザワついててもいい。
それを無理やり直そうとしないこと。
それも、ちょっとした“整え方”のひとつだと思う。
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また明日も、お店は普通に開く。
女の子たちがそれぞれの理由を持って出勤してくれる。
その積み重ねを、ちゃんと守れる自分でいたい。
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この店が、誰かの「整えなおす場所」になれたらいい。
今日は、そんなことを思った。
最後に竹内栖鳳が明治の欧州渡航時に動物園で初めて「獅子」を見てテンションが上がり帰国後に金屏風に仕立てたものを見て興奮しましたので共有します🦁
何年か前の夏でした。
面接に来たのは、22歳の女の子。
声が小さく、でも妙に大人びていた。
「前の店で、色々あって……それで辞めました」
そう言って、ほとんど何も語らなかった彼女。
名前も、本名かどうかは今でも分かりません。
うちは未経験でも歓迎なので、彼女のことも受け入れました。
最初の施術は震えていたけれど、1週間もすると、お客様から指名がつくようになった。
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ある日、ふいに聞いたんです。
「夢とか、あるの?」って。
彼女は少し黙って、
「うーん…安心して寝たい、ですかね」
と笑いました。
その時、何かが引っかかりました。
でも詮索するのはルール違反だと思って、何も聞きませんでした。
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ある日を境に、彼女は出勤しなくなりました。
連絡も取れず、LINEも既読にならない。
最初の1週間は「他の仕事が忙しいのかも」と思ってた。
でも、なんとなく分かってました。
もう来ないだろうなと。
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あの時、もっとちゃんと話を聞いていれば、
無理にでも引き止めていれば、
何か変わっていたんじゃないか
今でも、ふと思い出す時があります。
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この仕事には、明るい話ばかりじゃありません。
でもそのぶん、「ちゃんと守る」「ちゃんと向き合う」っていう姿勢が本当に大事だと、彼女に教えてもらいました。
だから今、面接で来てくれる子には必ず言います。
「ここでは、無理をしなくていいから」と。
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このブログを見てくれているあなたが、もし
「過去に働いて嫌な思いをした」
「傷つくのが怖い」と思っているなら、
それでも、もう一度だけ信じてみてほしいんです。
うちは、そういう場所になりたくて、この店をつくりました。
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▶次回予告
→「卒業していった女の子の話」
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ある時なんとなく本を読もうと開いた。
三島由紀夫。
初めて読んで
言葉の鋭さが心地よかった。
「完全なものを壊したくなるのは、渇望だ」
そんな一文があって、
ああ、自分もなにかを渇望してたんだろうなと思った。
なんの不足もないのに、心がじっとしてくれない。
妙にわがままな自分がずっとどこかにいる。
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別にポジティブになったわけじゃない。
「明日からまた頑張ろう!」みたいな気分でもない。
でも少しだけ頭の中が静かになった気がします。
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もし、今ちょっとだけざわついてる人がいたら
何かを変えようとしなくてもいいのかもしれません。
とりあえずランニングして
本でも読んで
静かな日を過ごすのも悪くないです。
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好評でしたら
たまにこういうブログを書いていこうと思います🥹👌
3年働いてようやく任される店ができた。
責任も重くなり、毎日が目まぐるしく過ぎていった。
その頃、バイトとして入ってきたのが今の大人の隠れ家の店長だった。
最初は「物静かで大丈夫か」と思うくらいどこか抜けていた。
けれどおおらかで、人に優しく、場を和ませる不思議な空気を持っていた。
気づけばスタッフの中で一番、女の子たちに安心感を与える存在になっていた。
やがて俺が別の店舗を任されることになりバイトだった彼を店長に据えることにした。
あのときの判断は正しかった。
彼の持つ“人の心をやわらげる力”は、数字以上に大切なものだったからだ。
一方で俺は出世し、大きな金額を動かす立場になった。
給料袋は分厚くなり、初めて大金を手にしたときの高揚感は確かにあった。
けれど一人でその紙幣を数えていると、胸に広がるのは空虚さだった。
力を得たはずなのに、なぜか孤独が濃くなっていく。
思えば、俺が数字に追われて孤独を抱えている間、店長は店の空気を穏やかに保ち続けていた。
立場も役割も違ったけれど、その存在はいつも俺の支えになっていた。
大金は確かに力をくれた。
けれど、孤独をやわらげてくれたのは、人だった。
バイトで入ってきた彼を店長に据えたあの日からそのことを思い知らされている。
そんな店長が面接致します。
初日寮のドアを開けた瞬間に部屋の狭さよりも匂いに驚いた。
カーペットに染みついた消臭剤と、寮の仕事特有の香水の残り香。
それが大阪での新しい生活のはじまりだった。
昼過ぎに出勤するとスタッフたちの動きは早くて声もデカい。
新人の俺は、とにかく笑顔と「はい」の繰り返し。
分からないことを聞く暇もなく、電話は鳴りっぱなし、女の子は入れ替わり立ち替わり出入りしてくる。
気がつけば、終電もとっくに過ぎていた。
一週間には、もう“慣れたふり”を覚えた。
仕事を覚えていないのに、堂々と動く。
心臓はバクバクだが、それを見せると一瞬で食われる。
この会社は弱さを嗅ぎ取るのが異常に早い感じがした。
一か月頃には初めてのミスで女の子を怒らせた。
理由は簡単、送迎の順番を間違えた。
その夜は何も食べず、寮のベッドで天井を見ながら、
「広島に帰ろうかな」と思った。
同時に「いや、帰れば恥ずかしい」とも思った。
少し慣れた頃、上司の一人が笑いながら煙草を差し出してくれた。
「お前、意外とやれるやん」
その言葉がやけに嬉しかった。
キツさと不安と謎の湧き出る自信。
それがあの時の全てでだった。
休日に初めて飛田新地を歩いた。
大通りを外れて急に空気が変わったのを覚えている。
細い路地の両脇に家々が並び、各家の入り口で女の子たちが笑顔を浮かべて座っていた。
目の奥だけはどこか違って見えた。
その視線が一斉にこちらを追ったとき、足が止まりそうになった。
「兄ちゃん、寄っていき」
呼び込みの声は軽く聞こえるのに、拒めない圧をまとっていた。
ただの一言で自分の未熟さや場違い感がすべて見透かされる気がした。
観光客がスマホをかざして怒鳴られている。
その横を、常連らしい男が迷いなく扉をくぐっていく。
同じ通りに「初めて」と「慣れきった日常」が同居している光景。
その境目に立っていたのは、自分ひとりだけだった。
ただ歩いているだけなのに、体は熱を帯び背中に汗が伝っていった。
心臓は脈を打ち、手のひらには汗がにじみ呼吸は浅くなる。
数分のはずが、何時間も閉じ込められているように感じた。
結局、何もできずに通りを抜けた。
けれど、不思議と後悔はなかった。
踏み込めなかった分だけ、鮮明に記憶に焼きついた。
飛田を出て見上げたコンビニの白い光がやけに安心に見えた。
非日常の裏で、日常はこんなにも温かいのかと思った。
欲望が渦巻く街を背にしたあと、ただのコンビニの明かりに救われた自分がいた。
飛田新地。
大阪に住んで「人間の笑顔は本物かどうか」なんて簡単に判断できないと思うようになった。
だからこそ忘れられない。
遊んだ夜ではなく入れなかった夜の方を。
大人の隠れ家の始まりです🐝
18歳。広島の夜でデリヘルのドライバーとして働きはじめた。
深夜キャストを送り届けた帰りの道路はやけに広く感じた。
誰もいない安佐南区の交差点で信号待ちをしながら
「俺はこのまま、ここで終わるのかな」と考える事が多くあった。
お金も同世代ではそこそこ。
ご飯も食べれるし、毎日遊んで
不自由無かったんだけどなにか足りない。
そんなモヤモヤを抱えたまま2年が過ぎた。
20歳のある日唐突に決めた。
住む場所も、働く場所も決めずに大阪へ行くと。
理由は簡単だ
自分の価値を試したかった。
見知らぬ街で自分がどこまで通用するのか。
それだけだった。
新大阪駅に着いたとき財布の中身は来月の支払いも含めて20数万円。
ホテルに泊まるお金も勿体なかったから。興味本意もあり西成の一泊1500円の宿に、三畳一間の窓なし
入った瞬間『あ、だめなやつや』
結局寝れもしないから働く場所を探す為にヤローワークを開いた
一番上に載っていたのは大手の風俗店だった。
次の日面接に行くと想像していた怖さより
人の数とスピード感そしてミナミのど真ん中に立つ自社ビルに圧倒された。
「ここでなら、何か掴めるかもしれない」
そう思った瞬間、もう引き返す理由はなかった。
あれから何年も経った今でも、
あのときの心臓の音を覚えている。
不安と期待がごちゃ混ぜになって、
息が少しだけ熱くなるような、あの感覚だ。
あの日がなければ、今の俺はいない。
そう言い切れるくらい、あれは俺の“始まり”だった。
そしてその場所で今の店長とも出会うのです^_^
新人スタッフが言った一言が今も耳に残っている。
「女の子たちって思ってたより普通なんですね」
彼は驚いたように笑っていた。
その言葉に僕もつい笑ってしまった。
そう、普通なのだ。
誰かの娘であり、友達であり、ただ日常を生きている女の子たちだ。
そこに事情や背景が重なっているだけで、本質は変わらない。
働いている姿ばかりを見ていると忘れがちになるけれど、
待機中に眠そうにあくびをしたり、
スマホのゲームに熱中していたり、
友達の愚痴をこぼしていたり。
その何気ない素顔こそが一番リアルで愛おしい瞬間だ。
新人スタッフの目には、それが新鮮に映ったのだろう。
「普通なんですね」その一言に、この仕事のすべてが詰まっている気がした。
この業界に入って
いろんな人と出会った。
支えてもらったこともあれば、支えきれなかったこともある。
感謝と後悔が入り混じって、心の奥に沈殿している。
それでも、最後に残るのはやっぱり人の表情だ。
泣き顔よりも、怒った顔よりも、ふとした笑顔。
あれがあるから、自分もここまで歩いてこられたのだと思う。
人は特別な瞬間よりも、普通の一瞬に救われるのかもしれない。
何も起きない夜、交わした小さな会話、
そして「普通ですね」と笑われた瞬間。
そういう断片が、静かに心に積もっていく。
これで一区切り。
この余白の先に、それぞれの物語が続いていきますように。
店の空気って、不思議だ。
同じ照明、同じ部屋、同じ香りなのに、
人の流れが少し止まるだけで、
まるで時間そのものがゆっくりと沈んでいく。
この時期は、いわゆる“閑散期”。
カレンダーが冷たく進むように、客足もどこか控えめになる。
でも、この静けさが嫌いじゃない。
むしろ、ここにこそ「隠れ家」の本質がある気がする。
賑やかさに隠れて見えなかった“人の芯”が、こういう時ほど見えるからだ。
キャストたちも、こういう時期に成長する。
「最近ちょっと指名減ったんです」とか、
「ブログ、書いてみようかな」とか、
小さな変化を自分の中に見つけて、
それを行動に変える子が出てくる。
それが何より嬉しい。
派手なイベントやSNSの波に乗ることも大事だ。
けど、どんな店も、どんな人も、
“静けさに何をするか”で、本当の強さが決まると思う。
売上が落ちたとき、焦るよりも、
磨く。見直す。整える。
人も店も、静かに力を蓄える時間が必要なんだ。
秋の夜風が少し冷たくなってきた。
そんな中でも灯りを絶やさずに、
一人でも帰ってきてくれるお客様を温かく迎えられるように。
それが、隠れ家という場所の“意味”だと思っている。
静かな夜にこそ、
灯りの美しさは際立つ。
新人スタッフというのは最初は何もかもが新鮮だ。
慣れてしまえば見えなくなることを、彼らは素直に口にする。
入って数日の若いスタッフが、片付けを手伝いながらこう漏らした。
「この仕事って…思ってたより難しいんですね」
最初は、ただの一言に聞こえた。
だが、あとになってじわじわ効いてきた。
彼は最初、メンズエステというものを「楽に稼げる」「女の子が働いているだけ」と思っていたらしい。
でも、実際に電話を取って、お客様に予約を案内して、
女の子の待機中の表情やちょっとした愚痴に触れて、
「ここは仕事場である前に、人と人が交わる場なんだ」
そう感じたんだろう。
経営者にとっては当たり前のことでも、
新人にとっては“発見”なんだ。
そして、その発見があるから、組織はまた新しい空気を取り込める。
数字や戦略を追うのは経営者の仕事だ。
だが、女の子が「ここなら頑張れる」と笑う瞬間や、
スタッフが「ここは思ったより人間くさい」と呟く瞬間に、
本当の意味で店の価値は宿るんだと思う。
あの日の彼の言葉は、ありふれていたけど、不思議と耳に残った。
その“ありふれた視点”こそが、僕には一番欠けがちだから。
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▶次回予告
新人スタッフが目にした「女の子たちの素顔」。
そこにあったのは、想像よりもずっとリアルで、温度のある日常だった。
🌙【第10話「頑張りたい」と言ったその子が、次の日に笑いながら口にした“ある一言”。それが店の空気を変えた。】
人は一度つまずくと立ち直るよりも逃げるほうが楽だ。
だから「もう一度頑張りたい」という言葉には軽さと重さが同居している。
「また出勤していいですか?」
LINEが入ったのは夜中の2時を過ぎた頃だった。
こういう連絡は珍しくない。
“辞めるつもりだった子が戻りたいと言う”メンエスではよくある話だ。
ただし大事なのは言葉じゃなくて行動。
どれだけ強い気持ちを並べても翌日に顔を出さなければそれまでだ。
だから正直、期待はしていなかった。
けれど次の日の昼。
「おはようございます!」
笑顔でそう言った瞬間事務所の空気がふっと変わった。
事務所のスタッフが「おぉ、戻ってきたんだ」って軽く笑って、
店長も「おかえり」みたいな表情をして。
それまでのピリついた雰囲気が、嘘みたいに柔らかくなった。
僕に向かって彼女が言った。
「来ないと思ってたでしょ?笑」
冗談みたいに笑っていたけどその奥には決意がにじんでいた。
逃げるのは簡単だったはずだ。
でも彼女は“戻る”という一番しんどい選択をした。
仕事が上手くいくとか、稼げるとか、それももちろん大事だ。
けれど「ここなら、もう一回やり直してもいいかも」って思える空気をつくれるかどうか。
その空気を守るのが、僕の仕事なんだと改めて思った。
⸻
▶次回予告
新人のスタッフがぽろっと言った一言。
「代表、この仕事って思ってたより○○ですね」
🌙【第9話『もう一度だけ、ちゃんと頑張ってみたかった─あの子が戻ってきた理由』】
仕事をしてると「辞めます」って言葉は珍しくない。
正直何度聞いても慣れないけど、それが現実。
だから、辞めていった子が戻ってきたときはやっぱり驚く。
営業後事務所の扉を開けて立っていた彼女の姿は少し現実離れして見えた。
「もう一度働かせてください」
そう言われた瞬間ちょっと笑ってしまった。
その一言が嬉しかった。
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◆辞める理由と、戻る理由
辞める理由は、無数にある。
人間関係、体力、家庭、気持ちの問題。
でも、戻る理由は驚くほど少ない。
そのひとつが「もう一度だけやってみたい」だった。
たったそれだけの言葉に、人が人生を変える力が宿ることがある。
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「もう一度」その言葉に込められた希望はたぶん誰にでもある。
自分の中で「一度やってみる」って感覚は意外と強い。
リセットしたくなる瞬間って誰にでもあるはず。
その気持ちを笑わず受け入れる。
それを受け止める場所を作り続けること。
それが僕の役目なんだろう。
難しい理由なんてなくてただ「もう一度」。
その繰り返しで続いてる。
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▶次回予告
「頑張りたい」と言ったその子が、
次の日に笑いながら口にした“ある一言”。
それが店の空気を変えた。
🌙【第8話『腹減ったな〜…なんか食うか
”笑顔がこぼれた夜。』】
週末の夜。
その日は全員出勤で
珍しくバタバタした1日だった。
終わった後、スタッフで
「腹減ったな〜…なんか食うか」って話になって、
待機してた女の子も巻き込んで
近所の焼肉屋へ。
気づいたらスタッフ3人
女の子2人の感じの食事会に。
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若いスタッフが
生センマイが来たあたりから、
「これ初めて食べました、こっぱうまいですね」って言ったのがきっかけで、
少しずつ笑いが増えていった。
ごはん食べながら、くだらない話をして、
途中で「この店の裏話教えてくださいよ」って聞かれて、
店長がちょっと焦ってたのも笑えた。
⸻
「誰かとこうやって食べるの、いつぶりだろ…」
それを聞いて、場の空気が少しあたたかくなった。
若いスタッフが「ここ入ってよかったと思ってくれた?」って軽く聞いたら、
その子はちょっと笑って「はい、思ってますよ」って答えた。
⸻
この仕事って、基本ひとりで戦うような面もあるけど、
こういう“ちょっと息抜きできる時間”があるだけで、
なんか救われることもある。
別に仲良しグループじゃなくていい。
でも、安心できる空気があるかどうかって、
働く上ではかなり大事なんだと思う。
⸻
このブログを読んでるあなたへ。
「人付き合い苦手かも」って思ってる子も多いと思う。
誰かとふっと笑える瞬間がある職場です。
派手じゃないけど、
働いてて“ちょっとほっとする”って、わりと大事ですよ。
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▶次回予告
『「もう一度だけ、ちゃんと頑張ってみたかった」──あの子が戻ってきた理由。』
営業時間:9:00~29:00
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